阿蘇の草原を守るためにできること

阿蘇草原が減少の一途をたどる一方で、阿蘇草原の価値は再び見直され、草原再生に取り組むボランティアの輪は、今や全国に広がっています。
地元だけでの草原の維持活動が難しくなってきている中で、ボランティアの存在が欠かせません。阿蘇草原を守る活動にあなたも参加してみませんか?

野焼き

毎年3⽉頃に⾏われる阿蘇の野焼きは、作業者はもちろん観光客などの安全確保にも細⼼の注意が払われて⾏われています。この野焼きによって、草原の藪(やぶ)化を防ぎ、害⾍を駆除し、さらに新たな芽吹きが促されます。野焼きが終わると、真っ黒になった大地から春の訪れを告げる草花が一面に広がり、草原の⾵景を再び緑に変えていきます。

輪地切り

春の野焼きの⽕を制御する防⽕帯をつくるため、9〜11⽉頃に輪地切り・輪地焼きが行われます。輪地切りは、草原と樹林の境界などに沿って細長い線状に草を短く刈ることを言い、輪地焼きは輪地切りで刈った草を集めて焼くことを言います。これらの活動によって、野焼きの⽕の延焼を防ぎますが、毎年必要となる⼤変な作業です。阿蘇地域全体での防火帯の延長は500km以上であり、また、急峻な場所も多いため、⼈⼿を減らす⼯夫が必要です。重機による防火帯整備が進められていますが、まだまだ導入が間に合っていないのが現実です。

草原の維持活動が直⾯する問題

深刻化する担い手不足

1998年に派遣牧野数7牧野、延べ派遣人数110人からスタートした野焼き支援ボランティアですが、2019年には派遣牧野数65、延べ派遣人数2,306人となりました。地域の高齢化や人口減少に伴って、野焼き支援ボランティアは、草原の維持活動にとって不可欠な存在となっています。
阿蘇グリーンストックでは、九州を中⼼に、全国からボランティアを募り、野焼きや輪地切り等の草原の維持活動が困難な牧野に派遣し、地域の草原の維持活動を支援しています。
なお、ボランティアの派遣に当たっては、初⼼者研修会を義務付け、安全の確保を図っています。

ボランティアの声

阿蘇の防火帯の延長は640km。一人で輪地を作ろうと思っても出来るものではありません。「一人ひとりは小さな存在でも、心を一つにすれば大きなことをなすことが出来る。」と、ボランティアに参加させて頂いてつくづく感じます。千年という悠久の歴史を持つ草原にとって、私達の支援活動は星屑のようなものですが、それでも10年という歳月は1%になります。たかが1%、それでも1%。これからも頑張りたいと思います。

ASO GREEN STOCK

阿蘇の自然を一緒に守りませんか?

財団法人 阿蘇グリーンストックでは、阿蘇の草原を守るために、
ボランティアによる支援活動を行っています。

公益財団法人阿蘇グリーンストック