ついつい子どもに伝えたくなる!! 阿蘇の草原ハンドブック このウィンドウを閉じる
pages : 扉絵 ねらいと手引き 解説1 解説2 解説3


解  説

(3)野焼きの現状

1) 野焼きをめぐる問題
   野焼きは、農畜産業を中心に、草原の草を確保する上で必要不可欠な作業です。しかし、生活様式が変化し、農畜産業に従事する人も減少、また高齢化している中、重労働でなおかつ危険を伴うこの作業に参加しない人も出てくるようになりました。また、共同体意識の低下、農業経営の構造変化による、転作による牧草畑や水田放牧、トウモロコシ飼料の増加による草需要の低下、野焼きによる事故に対する牧野組合員の心理的な不安、また野焼きに欠かせない輪地切り・輪地焼きの人手不足も要因のひとつとなっています。
 そして、野焼きされずに放置される草原が増え、野焼きが行われる面積は年々減少しているのです。
 
2) 野焼きが行われなくなるとどうなるの?
 
野焼きが中止されて20年を経た草原

 
 野焼きが行われなくなると、草原での優占種であるススキ、ヤマハギが巨大化し、枯れ草の堆積量が増えます。それによって、表土に草が生えなくなり、流土や山崩れが頻繁に起きる危険性が高まってきます。
また、そのような状態のところに飛び火すると、枯れ草の堆積物は燃焼温度が高いので、火の勢いが強まり、消火が困難になります。
 このように、野焼きが行われなくなることで、さまざまな問題が発生してくるのです。
3) 野焼きにボランティアが登場
   野焼きに携わる人が減り、野焼きを行うことが困難になりつつある中、財団法人阿蘇グリーンストック(平成7年設立)は、野焼き支援ボランティアの会を組織し、ボランティアによる野焼き、輪地切りの支援活動を行っています。平成19年1月現在、ボランティアの登録会員数は564名で、平成17年度は延べ1,567名が野焼きや輪地切り作業に参加しています。
 最初の頃は、都会の人の手伝いは足手まといになるし危険だ、と拒否されていたようですが、同財団の努力により、初心者研修、リーダー研修を重ねた結果、今では地元農家同様の作業レベルまでになり、野焼きや輪地切り作業に欠かせない戦力となっています。受け入れる地元農家からも「人手不足が解消され、助かる」とか、「がんばるボランティアの勇姿に自分たちも刺激を受ける」という声も聞かれます。
 
野焼きボランティア体験談
 私は以前、野焼き体験に参加させて頂いたことがあります。
その時は(阿蘇の草原の風景は素晴らしかったのですが)何よりも人の素晴らしさに感動しました。
 初めての体験ということもあり、いざ草原に出て野焼きを始める段になると、燃え広がったらどうしよう、急に火が大きくなったらどうしよう、と不安になってしまったのですが、様々なテクニックを使って自在に火を操る牧野組合の方々の姿を見ているうちに、その頼もしさに不安もなくなっていったことを今でも覚えています。
 私は結局作業の足手まといにならないようにするのが精一杯でしたが、皆さんにとても親切にしていただき、素敵な体験ができました。また、阿蘇に行きたいです。/[Iさん 30歳・女性・東京在住]
(阿蘇草原再生HP掲示板より)

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