ついつい子どもに伝えたくなる!! 阿蘇の草原ハンドブック このウィンドウを閉じる
pages : 扉絵 ねらいと手引き 解説1 解説2


テーマ2 くらしと草原1−放牧で草原が守られる−

<ねらい>
 日本一の広さを誇る阿蘇の草原。この草原を維持しているのは、他でもない阿蘇の人々です。
阿蘇の草原は、千年の草原とも呼ばれ、古くから人々によって利用されてきました。最も古い記録では、10世紀初めの法律に、「阿蘇の馬は都に献上すべし」とあります。今でも、牛馬の放牧や、採草など、人々が生業として阿蘇の草原を利用しています。
  青々とした草原に、のんびりと草をたべる牛馬の姿は、何とも牧歌的で、阿蘇を訪れる多くの人々に安らぎを与えてくれますが、実は、彼らが草を食べることで、阿蘇の草原が守られているのです。
 人々が利用することや、牛が草を食べることで守られている阿蘇の草原のように、人の手が入ることで守られている自然があることに気づいてもらいましょう。
 
こんな風にやってみよう!
1.草原が、阿蘇の人々に利用されていることを知る。
●農家の一年の仕事を調べて、カレンダーにしてみよう。
    野外 通年
 農家を訪ね、実際の作業の様子を見せてもらったり、話を聞いたりして、一年間の農作業をカレンダーにしてみると、草原がいろいろなかたちで利用されていることや、集落の人が総出で草原での作業に参加していることなどがわかるでしょう。

さらに 苦労話も聞いてみましょう。草原での作業がいかに大変かわかります。
  <web> 阿蘇草原再生(環境省) http://www.aso-sougen.com/now/01/keep_03.html
<本> 「原野の子ら」 広鰭恵利子・文 汐文社発行
 
●一年を通して、草原の変化を観察しよう。
    野外 年に数回
 まずは、野焼きが行われた後の草原に行って、その様子をスケッチしたり写真に撮ったりして記録しましょう。その後も、季節ごとに草原に足を運んで、草の様子を記録しましょう。野焼き後は真っ黒で植物が生えないように思いますが、暖かくなるにつれ、植物が生長し、きれいな草原が広がっていく様子が実感できます。同時に、春には牛馬が放牧され、秋には草が刈り取られるなど、草原に関わる人々の営みが実感できるでしょう。

さらに 例えば、春先に野焼きを行った草原と、行われていない草原の草を観察して比べてみると、野焼きが行われた草原は草が青々と芽吹いているのに対し、野焼きが行われなかった草原は、春でも茶色っぽく丈の長い草が生えていることがわかります。
 
2.草原が、牛たちのえさ場になっていることを知る。
●放牧の様子を観察しよう。
  野外
 放牧地で牛馬が何をしているか観察してみましょう。緑の絨毯のように見える草原は、牛馬が草を食べている場所だったということがわかるでしょう。

さらに 牛が放牧されている草原を観察すると、少し急な斜面地に等高線状の縞模様が見られることがあります。「牛道」といって、牛が草を食べながら通った跡で、草を刈る機械が入れないところも牛たちの舌によって草が刈られていることがわかります。
  <本> 「自然観察マニュアルU」 パークボランティアの会発行
 
●牛の糞を手にとって、くずしてみよう。
  野外
 草原に出かけ、牛の糞を探してみましょう。乾いた糞を手にとって、くずしてみると、糞の中に草の繊維質が残っていることなどから、牛が草を食べていることが分かるでしょう。

ヒント 例えば、春先に野焼きを行った草原と、行われていない草原の草を観察して比べてみると、野焼きが行われた草原は草が青々と芽吹いているのに対し、野焼きが行われなかった草原は、春でも茶色っぽく丈の長い草が生えていることがわかります。
さらに

糞をひっくり返すと、虫がいることがあります。その多くはコガネムシの種類で、
図鑑などで調べると、それらは糞虫(ふんちゅう)と呼ばれ、糞を餌にしている虫であることがわ
かります。糞が分解され、草原が糞だらけにならないことに気づくでしょう。

さらに 一日に牛が食べる草の重さや、糞尿の重さを調べ、草原や校庭で同じ重さだけの草を刈ってみましょう。いかに草を刈るのが大変で、牛が草原の草刈りにどれだけ貢献してくれているかがわかるでしょう。
 
3.阿蘇が、「あか牛」の一大生産地であることを知る。
●草原にどんな家畜がいるか観察してみよう。
  野外
 外輪山を走る道路から放牧地を観察することで、あか牛、黒牛、乳牛(ホルスタイン)、馬などいろいろな家畜がいることがわかります。また、見えた数を記録すると、あか牛が一番多いことに気づくでしょう。

さらに 草原で牛を放牧している人に、草原にいるあか牛の性別や、何のために飼われているのかを聞いてみましょう。草原にいる成牛の多くが雌牛で、子牛を産むために飼われていることがわかるほか、子牛の多くは肥育農家に買い取られ、最終的に食肉として販売されることがわかるでしょう。阿蘇は、肉牛の生産地なのです。
ヒント スケッチするなどして、あか牛と乳牛の体型を比べると、その違いに気づくでしょう。あか牛は肉用牛であることから肉がたくさんとれるような体型をしていることがわかります。
  <web> あか牛.TV(熊本県畜産農業協同組合連合会)  http://www.akaushi.tv/
 
 
 
 
 

このウィンドウを閉じる ページの先頭へ