ついつい子どもに伝えたくなる!! 阿蘇の草原ハンドブック このウィンドウを閉じる
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3.阿蘇の魅力
 (1)観光客を魅了する風景

 阿蘇は、カルデラと中央火口丘群の織りなす火山景観のすばらしさから、1934年(昭和9年)に我が国を代表する自然の風景地として国立公園に指定されました。現在では、年間約1,930万人(平成15年熊本県観光統計より)もの観光客が訪れています。
 平成13年度に環境省が観光客に対して行ったアンケート結果によると「阿蘇でいいと感じた風景」について約8割の人が「草原が広がる風景」と答えており、国立公園の指定当時は火山景観の引き立て役だった草原景観が今では主役になっていることが分かります。(次頁のグラフ参照)
 また、平成14年度に熊本県が観光客に対して行なった調査では、来訪理由として「以前来て、よかったと感じた」や「この地が好きだから」という人が多く、何度訪れても新しい発見や感動があるのが阿蘇の魅力といえます。
地域別観光客数の推移

資料:熊本県観光協会
観光客が阿蘇でいいと感じた風景

資料:H13年草原景観に関するアンケート調査結果(環境省)
草原を訪れる人々
修学旅行(草泊まりを作る)

※草泊まりについては、P37のコラム参照

(2)映画や文学に登場する阿蘇
 熊本や九州の観光パンフレットに必ず登場するのが、草千里や米塚、中岳の噴煙といった阿蘇の景観です。この雄大な景観は、これまでに多くの作家を魅了してきました。阿蘇の風物詩を詠んだ「短歌や俳句」または「詩歌」は多く、小説や映画の舞台としてもたびたび登場します。

◇映画にでてくる阿蘇
 阿蘇の草原や火山景観は、映画などの格好のロケ地となっています。最近では、草g剛主演の映画「黄泉がえり」(2003年)が話題となりました。阿蘇の美しい自然を背景に展開されるSFファンタジーです。
 トム・クルーズと渡辺謙が共演したハリウッド映画「ラストサムライ」(2003年)。その冒頭に見られる日本の美しい風景は、根子岳の険しい山容と中岳の草原を撮ったものです。
 また、熊本出身の中山節夫監督による劇映画「原野の子ら」(1997年)は、旧阿蘇郡12町村を中心として製作されました。美しく雄大な阿蘇の自然を舞台に新任の女性教師と子供たちのくらしを描き、幸せとはなにか、豊かさとはなにかを問う内容で、この作品は、阿蘇郡全町村で上映されました。
 そのほかにも、戦国時代の合戦シーンのロケが行われた黒澤明監督作品の「乱」(1985年)、阿蘇を訪れた寅さんが大観峰から阿蘇を一望するシーンがある「男はつらいよ-寅次郎わが道を行く」(1973年)を始め、「トラック野郎 男一匹桃次郎」(1977年)、「007は二度死ぬ」(1967年)、「永遠の人」(1961年)、「二人の武蔵」(1960年)、「空の大怪獣ラドン」(1956年)、「君の名は 第3部」(1954年)など、阿蘇の火口丘群や草原が画面に登場する作品が数多く撮られています。

二百十日文学碑(阿蘇市坊中キャンプ場)
◇文学にでてくる阿蘇
 熊本で教授をしていた夏目漱石は、阿蘇登山の経験をもとに小説「二百十日(にひゃくとおか)」を書きました。二人の青年が、立ち上る中岳の噴煙を目指して山を登りますが、やがて嵐になり、溶岩洞窟に落ち、さてその先は、というお話です。世の中の理不尽に立ち向かう青年二人のやりとりが軽妙に描かれ、二人が泊る宿の仲居さんなどに地元の人のおっとりとした気質がうかがえます。
 国木田独歩(くにきだどっぽ)も阿蘇山に登っています。登山を終え、宮地の宿屋ヘ向かう途中、馬を引きながら民謡を歌って通り行く若者と出会い、その時の印象深い様子を「忘れえぬ人々」という作品に残しています。
 詩歌では、与謝野鉄幹(よさのてっかん)・晶子(あきこ)夫妻、若山牧水(わかやまぼくすい)、北原白秋(きたはらはくしゅう)、野口雨情(のぐちうじょう)、種田山頭火(たねださんとうか)といった多くの歌人が阿蘇を訪れて歌を詠んでいます。詩人三好達治は「大阿蘇」「艸千里浜」といった作品で阿蘇の自然を情感たっぷりに描きました。
 また、郷土出身の詩人・歌人として、蔵原伸二郎(くらはらしんじろう)と宗不旱(そうふかん)の名を挙げることができます。阿蘇郡黒川村(現阿蘇市)で生まれた蔵原は、故郷の原始的な自然の姿を詩に描いています(詩集『東洋の満月』『岩魚』など)。宗は熊本市出身の歌人で、内牧の温泉宿を発った後行方不明となり、鞍岳(菊池郡旭志村)の山中で死亡したと言われています。鞍岳に「山に居れば遠方野辺のもえ草をこころに留めて高きより見る」という彼の歌碑が立てられています。


阿蘇の春夏秋冬を詠んだ句と短歌
出典:「阿蘇の文学」


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