種
類 |
採草地
草小積み
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採草地では草を定期的に刈り取ります。近年では配合飼料や化学肥料が普及したためほとんど見られなくなりましたが、つい数十年前までは夏には「朝草刈り」といって、朝日が昇る前から草を刈り始めることが行われていました。朝露で適度に湿った草は栄養価も高く、刈りやすかったそうです。秋には、冬場の家畜の飼料として干し草にするための採草がおこなわれます。最近では、大型機械が入ることができる場所で採草が行われることが多くなっています。
青いうちに草が刈られた場合、刈られた草は地下の栄養分を消費して再び葉を伸ばしてきます。しかし、地下の栄養分が消費されるため、ススキなどの多年草は、次の年のための栄養を十分蓄えることができないため、勢力を拡大できなくなります。その結果、ススキの間に十分に光が入り込む空間ができ、そこには多様な植物が生育できるようになります。これらの植物にはハナシノブ、ヒゴタイ、ヤツシロソウ、ツクシマツモト(マツモトセンノウ)といった阿蘇特有の希少植物が含まれることが多く、生物多様性の保全上重要な位置を占めています。これらの野の花は先祖に供える「盆花採り」という阿蘇の文化も育んできました。
採草地は、米塚周辺や大観峰の周辺などでよく見ることができます。秋に草原に行くと、草を刈った場所の中に、草子積みとして刈った草を積み上げている光景を現在でもたまに見かけることができます。
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茅野

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茅葺き屋根が一般的だった頃は、ススキが良く生長する場所で茅葺き屋根のためのススキを集めていました。茅野では草が枯れた冬場にススキを刈り取るため、ススキは地下に栄養分を蓄えることができ、ススキが密生して生育する草原となります。そのため、ススキ以外の植物はあまり生育できず、比較的単純な種組成となります。
近年は茅葺き屋根がほとんど無くなり、茅野として利用される草原はほとんどなくなっています。しかし、人手不足などの理由から放牧や採草を行わなくなってしまった牧野でも、草原を維持するために野焼きだけは行っているような場所では、茅野と同じようにススキばかりが生えた草原が成立します。近年、このような茅野としては利用されていませんが茅野と同じ生態系が成立するような場所が急速に広がってきています。
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放牧地

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牛や馬を放牧するための草原です。牛馬が草を食べ、踏み固めていくため、ネザサやトダシバといった植物が生える草丈の低い草原「短草型草原」になります。牛は傾斜35度という急傾斜でも登っていくことができます(35度の斜面は上から見るとほとんど崖のように見えます)。このような急傾斜の放牧地では、牛がいつも同じ道を通って草を食べるため、草原に筋がいくつも走ったように「牛道(うしみち)」が刻み込まれます。
馬はあまり好き嫌いをせずにいろんな種類の草や時には潅木まで食べるのですが、牛はかなり好き嫌いがはっきりとしています。草を食べている牛を見ていると、ちっとも草を見ているようには見えないのですが、舌先で判断するのか嫌いな草をきれいに食べ残していきます。これらの牛が食べない植物には、山菜として人気があるワラビや、一風変わった花を咲かせるオキナグサ、草原性の希少な蝶の食草となるクララなどがあり、放牧地に転々と生えていて、独特の生態系を形成しています。
しかし、近年放牧される牛の頭数が減ってきているため、放牧地であっても短草型草原にならず、ススキの株が転々と残っている放牧地が増えてきています。放牧頭数が多く、きれいな短草型の草原となっている場所として、草千里が挙げられます。 |
湿地性植物群落

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一見なだらかに見える草原でも、中を歩いてみると意外と地形に起伏が大きいことに驚かされます。地形がくぼんでいる場所では、水が湧き出し、水分過剰の環境が形成されます。このような環境ではモウセンゴケ、サギソウ、ツクシフウロ、ヒゴシオン、サクラソウ、オグラセンノウといった植物が生息しています。これらの植物には、その昔阿蘇が中国大陸と陸続きであった頃に阿蘇にやってきた「大陸系遺存植物」が多く含まれていて、学術的にも貴重なものとなっています。
豊かな湧き水は放牧された牛馬の水飲み場として利用されることが多く、周辺の草地とあわせて野焼きされることで堆積する植物遺体が除去されて維持されてきました。しかし、牧野改良に伴う埋め立て(管理困難な傾斜地を均すこと)や、草原管理の放棄によって遷移が進行するなどにより、分布域が限られてきています。
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